『赤い果実〜You're My Lover』あとがき


 ある日、私はある友達に訊きました。
「例えばすっげー仲が良かった友達である男女だとか、ただのセフレだとかが、恋愛感情持っちゃって恋人になりましょうって付き合った場合、それまでの関係と何が変わるの?」
 すると友達は少し考えてから答えました。
「相手を束縛したり独占したりする権利を取得できるんじゃない? それと優先権も」
 なんて悲しい答えだと思ったけれど、確かにその通りなのかもしれません。こんなくだらない質問を試験中にしても真面目に答えてくれた友達、ありがとう。
 琉と里菜は一度とはいえ寝ているわけだし、琉が卒業して何が変わるのかなって考えて。まぁ上のような会話をしたときには、もう六話目までアップした状態だったし、あまり参考に出来なかった気がしますが、それでも私は二人にはいつまでも生徒と教師の匂いを漂わせたくなかった。そしてそれと同時に、いつまでも生徒と教師でいて欲しいとも思っていました。矛盾しているのは百も承知です。


 キリ番リクエストをいただいてから、時間がかかって申し訳ございませんでした。
 何を迷っていたのかと言うと、まずはこのお話が始まる時期、でした。琉のセンター試験が終わった時期が二つ、文化祭の時期が一つ、第一話だけでも三つも書いてしまい、どれがこれから続きを書くのに有効かとずっと悩んでいました。
 その結果、やはり琉のセンター直後の場面から始まったわけですが、これでよかったかな? 文化祭からだったら何の進展もないし、つまらないし(笑)。
 夏になったら教師と生徒のお話を書きたくなるのかな。二年前も一年前も夏には教師と生徒の恋を書いている気がします。来年は何をするんだろう、私(笑)。
 実は最終話もベッドシーンで終わらせたかったんですけれど、というかキスマークを付けさせたかったんですけれど(爆)、すると「こいつら会うたびにやってない?」という疑惑が出てきそうでやめました。私は彼らをセフレにするつもりはもちろんございません。身体のつながりもすごく大事だと思うけれど、それ以上に精神的なつながりみたいなものを、理想かもしれないけれどせめて小説の中だけでも実現させたいのです。
 実はサブタイトル、『You’re My Lover』は、連載を始める直前に決まったものでした。それまで全く違うサブタイトルを用意していたんですけれど、『You’re My Lover』を決めた瞬間に話の筋が見えてきたというか・・・、やっぱりタイトルって偉大だなぁ。もっとタイトルセンスがあればいいんだけど。


 そんなわけで、私が憧れていた女教師モノはもうこれで終了になりますが、いつか心の片隅にでも「こんな馬鹿げた話があったような・・・?」と思い出していただけたら嬉しいです。
 『赤い果実』の続編をリクエストしてくださったnnnn様、最後まで読んでくださった皆さん、本当にありがとうございました。
 季節はもう秋ですね。私の苦手な秋ですね。だけど、秋って何かを始めたくなる季節でもあります。私はまた新たな小説を書こうと目論んでおります。そちらのほうもお付き合いいただけたら非常に幸福でございます。
 陽が沈むのが早くなってきますが、私たちまで暗闇に飲み込まれる必要はどこにもないのだぜ! 綺麗な冬に向けて、頑張っていきましょう!



2006年9月29日 パンプキン


   
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