2006年夏。
 二年ぶりに会った物書き友達、君次郎が言った。
「ウチのサイト(純愛とはこういうもんだ!!)にチャットを取り付けたのはリレー小説がしたかったからなんだよ!」

 ・・・なるほど。だったらやってやろうじゃないか!
 無駄に物書きに燃えるパンプキン、今までやったこともないくせにその日を待ち望んでいた。


 そして、9月24日、午後四時。二日間かけて、リレーは始まった。


 君次郎とパンプキンのリレーの様を、どうぞご覧くださいませ。







君次郎 > 「愛!待って」
パンプキン > 「待てないっ!」
君次郎 > 愛は祐子の手を激しく振り払った。
パンプキン > 「愛・・・、あたしの話を聞いてよ!」
君次郎 > 「聞きたくない!二人して騙してたんでしょ!
パンプキン > 愛の叫びに裕子は怯む。
君次郎 > 「エイリアンが地球の滅亡をたくらんでるって信じてたのに!!」
パンプキン > 「愛・・・、これには理由があるのよ」
君次郎 > 半泣きの愛に裕子と、後ろから追いかけてきた恵理子が慰める。
パンプキン > 「あたしたちだってもちろん最初は信じていたのよ。だけど・・・これは連絡ミスなの」
「もういい。SF研究会なんてやめる。どうせ同好会から昇進できないし」
パンプキン > 「そーれーは、愛が真面目に勧誘活動しないからじゃない」
君次郎 > SF研究会―通称S研―は部活動が盛んなこの学校でも存在が危うい同好会である。
パンプキン > 愛、裕子、恵理子はその同好会の存続を賭けて、懸命に活動をしていた。
「む。私だって一生懸命やってるよ!」
パンプキン > 「愛には強引さが足りないのよ。あたしみたいに少しは色気を露出してみなさいよ」
君次郎 > 「色気なんかなくったってちゃんと誘えます!!ね!恵理ちゃん?…恵理ちゃん?」
パンプキン > 「でも・・・裕子の言うとおり、愛が一番成果出てないじゃない」
君次郎 > 「うっ…私だってその気になれば…」ふと愛が窓から下を見ると中庭に固まって話す男の子と女の子達が見えた。
パンプキン > 愛は中庭に向かって一目散に駆け出した。
君次郎 > 「ま、愛!急に走り出して!どうしたのよ!」
パンプキン > 「ねー、そこの人たちー!SFに興味ないー!?エイリアンに興味ないー!?」
君次郎 > 愛は自分でできるかぎりの営業スマイルで近づくが
パンプキン > 「げ、S研だってよ。やべっ、みんな声かけられる前に逃げようぜ。
君次郎 > 「S研?なにそれダサー!イマドキ流行らないよねー。数馬もあっち行こ?」
パンプキン > 近寄る愛から皆逃げるが、数馬だけは振り向いて愛を気にしていた。
君次郎 > 「ま、待って」愛は野生の本能か、無意識に数馬の制服の裾を掴んだ
パンプキン > 「あたしたち、そんなに怪しくないのよ。ただ協力してほしいの。このままじゃ同好会がなくなっちゃう・・・」
君次郎 > 縋り付くように見つめる愛を数馬は黙って見下ろす。
パンプキン > 「数馬くん・・・・・・」愛は無意識に上目遣いで数馬を見上げた。
君次郎 > 「あ、愛見つけた!……って何してるの!」祐子が真っ青になって愛を数馬から引き離す
パンプキン > 「何って・・・、勧誘よ。数馬くんに頼んでいたのよ。ね?」
君次郎 > 「何言ってるの!数馬君に勧誘なんて!」数馬の後ろ少し離れたところでは数馬シンパが睨みを効かせている
パンプキン > 「ちょっとS研!勝手に数馬クンを誘惑してんじゃないわよ!」
君次郎 > 「数馬クン、こんなんほっといて早く行こう」
パンプキン > 「あ、・・・おう」数馬は曖昧に返事をして、愛と裕子のほうを向いた。
君次郎 > 「か、数馬君、ダメかな?数馬君よく図書館で本読んでるし、物理選考だし。興味ない?」
パンプキン > 「・・・別にいいよ」数馬の返事に、シンパがどよめいた。
君次郎 > 「本当!!」飛び上がって喜ぶ愛の後ろで祐子と恵理子も驚愕していた。 パンプキン > 「嘘でしょ・・・、あの数馬くんが・・・?
君次郎 > 「祐子…どうするよ?このままイクとうちらが暗殺されるか、S研が歴史上は最高記録の入部者になるんじゃない?」
パンプキン > 「だけど、だからってこの機会を逃したらS研の存続すら危うくなっちゃうし・・・」二人は愛の後ろで囁いている。
君次郎 > 数馬はこの学校では知らない人はいないっと言えるほどの有名人だ。
パンプキン > 眉目秀麗、その言葉がまさに相応しい人間であった。
君次郎 > だが本人はそれを披かすことがないため、常に回りに人が集まるという絵に書いたような優等生だ。
パンプキン > 「・・・で、この同好会では何をすればいいのかな」静かに数馬は愛に聞いた。
君次郎 > 「あのね、部活は月、水」「愛待った〜!!!!」すっかりその気の愛に祐子はストップをかける。 パンプキン > 「あの・・・、数馬くん。からかっているならやめて・・・ください。あたしたち、これでも本気でやっているのよ」数馬に向いて、裕子は真剣な表情で言った。
君次郎 > 「俺も本気だけど?」数馬は眉を少し上げて祐子の睨みも軽く受け流した
パンプキン > 「ありがとう、数馬くん!」その場の空気に相応しくない満面の笑顔で愛は喜ぶ。
君次郎 > 「愛…あんたはこの学校の女どもの敵になりたいの…」がっくりと項垂れる祐子に恵理子がぽんぽんと肩を叩く。
パンプキン > 「まぁいいじゃない、裕子・・・。数馬くんも本気って言ってくれるんだし、これで人数は四人。存続されるわ」
君次郎 > 「やったね!ほらね!私もやればできるでしょ!!」
パンプキン > 「・・・・・・やりすぎだろ」裕子のツッコミはもちろん愛には届かない。
君次郎 > 「で?S研って実際には何してんの?」
パンプキン >「あのね、きっと近い将来に地球はエイリアンに襲われるの。それを私たちは調べてて・・・」一生懸命に話す愛に、数馬は笑った
君次郎 > 「む。どうして笑うのよ。ミステリーサークルは将来エイリアンが地球にやってきたときに攻撃するための目印なんだから!!」
パンプキン > 「あはは・・・、ごめんごめん。あまりにも面白そうだったから」
君次郎 > 数馬の笑い方はどう見てもエイリアン云々が面白いとは思えない。
パンプキン > 「ちょっと恵理子・・・、あたし、数馬くんがあんな笑い方しているの、初めて見た・・・」
君次郎 > 「はははは…あー腹痛。じゃぁ明日からよろしく」散々笑った数馬は、にっこり笑って愛に右手を出した。
パンプキン > 「うん、よろしくね。数馬くん」愛はその手を握り返した。
君次郎 > こうしてSF研究会は数馬を迎えて存続となった。


パンプキン > 次の日、学校では数馬がS研に入ったという話題で持ちきりになっていた。
君次郎 > 「う〜ん!ママの作ったタコさんウインナー最高〜!」そのことにちっとも気づいてない人間が一人、愛。
パンプキン > 「え・・・、あの子が数馬クンを・・・」シンパたちが愛を睨んでも、愛は気付かずにタコさんを頬張る。
君次郎 > 「あたしゃ、あんたのその鈍さに尊敬するよ」祐子はぐったりと愛のお弁当箱にウインナーをいれてやる。
パンプキン > 「わーい、ウインナー増えたっ。裕子ありがとー!・・・尊敬?」愛はにっこりと笑った。
君次郎 > 「尊敬尊敬!見てよ!愛のおかげでこーんなに入部希望がどっさり!」悶絶する祐子の机には入部届けの紙で溢れていた。
パンプキン > 「うっわー、私のおかげだねー!・・・あ、数馬くん」ふと見上げると、そこに数馬くんが立っていた。
君次郎 > 数馬の登場に教室は水を打ったように静まり、教室の中からも外からも視線がこちらに向かっていた。
パンプキン > 「こんにちは、数馬くんっ。ねえ、数馬くんのおかげで同好会安泰なんだ。ありがとね」愛は周りの視線を気にせずに笑った。
君次郎 > 「いや、別に」数馬はふいと愛から目をそらすと祐子を見た。
パンプキン > 「だけど、こんなに人数が増えるのは心外だな・・・。そっちも困ってるんじゃない?」
君次郎 > 「別にいいわ。どうせ不純な動機で入部なんだからすぐに消えちゃうわよ」
パンプキン > 裕子は軽く言い、数馬はほっとしたように安堵のため息をついた。
君次郎 > 「ところで、貴方の動機は純粋に?それとも…」にやっと笑った祐子に数馬もふっと笑った。
パンプキン > 「ご想像にお任せします」どうやら裕子は昨日の一件で全て悟ってしまったらしい。
君次郎 > 「え!?何!?数馬クン純粋じゃないの!?もしや米軍のスパイ!!」愛が祐子からもらったタコさんウインナーを数馬に向けて振り回した。
パンプキン > 「それ、くれるの?」数馬は直接質問に答えず、代わりに愛の右手首を掴んでそのウインナーに口を寄せた。
君次郎 > 「タ、タコさんがぁ〜!」愛は半泣きで数馬の口を見つめる。祐子が何かつぶやいたが教室のどよめきに綺麗に消された。
パンプキン > 「ごちそうさま」数馬は周りの視線なんてないかのようにはにかみ、手を振った。「また放課後にね」
君次郎 > 「あいつは何しにきたんだ?」さっきまで数馬が立ってい場所に売店にパンを買いに行っていたはずの恵理子が立っていた。
パンプキン > 「タコさんだよ!私のタコさんを奪って行ったのよ!」半泣きで愛は言う。
君次郎 > 祐子がちょっと顔を赤らめて訂正する。「あたしがあげたのカニだったのよ。愛が片方の足を食べるまでは」
パンプキン > 「えっ、・・・ってことは、間接キス・・・・・・」恵理子はすぐに理解しつぶやくが、当の愛はそんなことにも気付かない。
君次郎 > 「米軍のスパイだろうがNATOだろうがタコさんを食べていいわけない!!数馬君なんて大きら」祐子と恵理子がとっさに愛の口を押さえた。これ以上敵を増やされたら堪ったもんじゃない。
パンプキン >そうでなくても今現在、視線を集めてしまっているのだ。「と、とりあえず放課後に会えるんだから、文句は本人に言ってよね」裕子もそのくらい言えるようになっていた。
君次郎 > まだ一人ブツブツ言う愛に二人は盛大なため息をついた。


パンプキン > そしてやって来た放課後
君次郎 > SF研究会は同好会ということで、部室はもらっていない。理科実験室が部室代わりだ。
パンプキン > そこは今までにないほどの人数で埋まっていた。
君次郎 > 女の子。女の子。女の子。大半が女の子だ。
パンプキン > 「ちょっとどうするのよ・・・、収集つかないじゃない」頭を抱えて裕子はつぶやいた。
君次郎 > 「アタシに聞くな」恵理子は一人窓にもたれて『亜空間要塞の逆襲』を読んでいる。こんな真昼から読む本ではない。
パンプキン > そんな二人に、数馬が申し訳なさそうにつぶやいた。「俺が責任とるよ」そして、女の子達に向いて、口を開いた。
君次郎 > 「話してるところ悪いけど、ちょっと、いい?」低く大きくもない声にも関わらず教室の喧騒はピタっと静まった。
パンプキン > 「俺は純粋にSFに興味があったからこの同好会に入ったんだ。だけど、違う動機で入った奴がいるなら・・・俺は許さない」途端に教室内に緊張が走った。
君次郎 > 一番近くにいた女の子が慌てて言い募った「か、数馬クン…。あたし達は別に」
パンプキン > 「ほんとうに?」その厳しい視線を受けて、彼女は首を縦にぶんぶんと振った。
君次郎 > 「ふーん…じゃあさ、教えてよ」腕を組んで教壇に寄りかかる数馬はまるで
パンプキン > 血も涙もない冷徹さで、女はたじろいだ
君次郎 > が、ふいににっこりと首を傾げた。「SFってなんの略?」
パンプキン > 「え、そ、それは・・・・・・」女の子は視線を動かし、後ろにいた大勢は他人事のように明後日の方向に目を向けている。
君次郎 > 「申し訳ないけど、うちは同好会でもちゃんとやることはやってんの。中途半端な人はお断りよ」祐子は入部届けの束を容赦なく破ると無残にばら撒いた。
パンプキン > 「ひ、酷い・・・!」女の子が叫ぶ中、数馬は彼女たちを見下ろした。「酷いのはどっちだよ」
君次郎 > 「パンパかパーん!!ただいま〜!」突然教室の雰囲気を全く無視した声が響いた。
パンプキン > 「あーっ、数馬くん見つけー!タコさんの恨みは大きいからねー!」現れた愛は教壇に立つ数馬を見つけると、頬を膨らませた。
君次郎 > 「愛、遅かったわね。数馬クンの入部届け受理された?」
パンプキン > 「うん、もちろんだよ。しょーがないな。入部と引き換えにタコさんのことは忘れてあげる。これからよろしくね」その場の空気も読まないまま、愛は数馬に微笑んだ。
君次郎 > 「こちらこそ」さっきの冷たさが錯覚と思えるほど数馬の愛を見る目は優しく、女の子達は思わずほうっと見とれていた。「ところで福山」
パンプキン > 「何?」愛は大きな瞳で数馬を見上げた。
君次郎 > 「福山はSFが何の略か、分かりよな」
パンプキン > 「え、えーと・・・・・・」愛は困惑した表情で数馬をじっと見つめた。
君次郎 > 「サ、サイエンス・ノンフィクション …」「実話にしてどーすんのよ!」祐子さん、鋭いツッコミ。さすが愛の友達である。
パンプキン > その様子を見て、数馬は噴出すように笑った。
君次郎 > 「ぷっ…福山にすれば空想も現実だよな!」「む。現実に決まってるでしょ!」数馬のあまりの笑いように愛も頬を染めて拗ねた。
パンプキン > 「愛はエイリアンを信じているものねー」追い討ちをかけるように裕子も突っ込む。
君次郎 > 「エイリアンはちゃんといるもん!祐子ちゃんも数馬クンも私をバカにして!!」
パンプキン > 「じゃあさ、福山。それについて詳しく俺に教えてよ」
君次郎 > 「よかろう〜。それ数殿、そこに座りたまえ。愛殿がしかと教えてしんぜようぞ!」えっへんと気取った愛と数馬が向かい合うようにして座った。
パンプキン > 数馬の一声にびびった女子達はいつの間にかいなくなっており、理科室で二人が向き合うその光景は妙なものだと裕子と恵理子はこっそりと思う。
君次郎 > 「ま、同好会も無事存続だしヨシとしましょうかね」恵理子は本から目を逸らすことなく呟いた。
パンプキン > 「福山」数馬はこっそりと愛に耳打ちをした。「今度の日曜あたり、エイリアンについて一緒に語らない?」
君次郎 > 「エイリアンについて…?数馬君、そんなにエイリアンが好きなの?」
パンプキン > 「え、えっと、福山が信じてるっていうから
君次郎 > 「本当!嬉しい!」愛は嬉しさのあまり数馬の両手をしっかと握りしめる。「実はこのS研でエイリアン信じてるの私だけなんだよ〜。祐子ちゃんはエイリアンじゃなくて戦闘モノ派だし、恵理子ちゃんは未来モノマニアだし。ちょっと寂しかったんだよね」
パンプキン > 突然の接近に数馬は一瞬目を見開いたが、すぐさま柔らかい表情で愛に微笑んだ。裕子と恵理子は二人を見て目を丸くしている。
君次郎 > 「王子様、ベタボレですな」「ですな」祐子と恵理子は2人には聞こえないように呟く。
パンプキン > そうして、愛と数馬は日曜に会う約束をした。



パンプキン > 愛は待ち合わせの場所で数馬を待っていた。愛は嬉しかった。自分の信じていたものを受け止めてくれる人間の存在に。
君次郎 > 興奮して昨夜眠れなかった目はほんのり赤く潤んでおり、ウキウキと頬を染めて待つ姿は周りから視線を集めていた。もちろん鈍い愛が気づくことはない。
パンプキン > 「お、君可愛いねぇ。よかったら一緒に遊ばない?」いかにも軽そうな茶髪の男が愛に声をかけた。
君次郎 > 「………」「な、なに?俺の顔に何かついてる?」じっと見つめる愛に、茶髪の男の顔も赤くなる。
パンプキン > 「数馬くん・・・?・・・・じゃないよ、ね・・・?」
君次郎 > 「はぁ?いや、オレ、耕平ってんだけど、君は?」
パンプキン > 「え・・・、えっと、私は・・・」愛が言いかけたとき、突然愛の前に人が立った。
君次郎> 数馬だ
パンプキン > 「ちょっとこの子、俺の、だから・・・」勢い余って数馬は耕平と名乗る男にそう言った。
君次郎 > 「…ち、しけてんじゃねーよ」男は数馬の整った容姿とそれに集まる視線に耐え切れなくなり、そそくさとその場を立ち去った。
パンプキン > 「・・・駄目だよ、あんなのに名乗ろうとしたら」数馬は走ってきたのか、荒い呼吸をしたあと、愛を見て低い声で言った。
君次郎 > 「ごめんなさい…」いつもと違う数馬にしょんぼりと項垂れた。
パンプキン > 「いや、・・・まぁ、無事だったからいいんだけど、ね・・・」そんな愛を見ていられなくなり、数馬は顔を背けてつぶやく。
君次郎 > 「それより、今からどうする?福山が待ち合わせココって指定したから、何かあるんだろ?」雰囲気を変えるべく聞くと、愛は待ってました!とばかり笑顔を取り戻した。
パンプキン > 「あのね、この洋館にエイリアンが襲ってくるっていう噂がちょっと前まであったの!」愛は後ろにある骨董品が置いてある博物館のような洋館を指差した。
君次郎 > 「……福山…」「なーに?数馬君」洋館を暫し見つめた数馬は、今にも入りそうな愛の腕をしっかと掴むと「とりあえず、お茶にしよう」とさっさと愛を洋館から離した。
パンプキン > そして二人で辿り着いたのは、今流行りの気軽なカフェ。
君次郎 > モカの生クリームが溶けないよう真剣にストローで混ぜている愛。
パンプキン > その様子を十数秒眺めたあと、数馬は言った。「どうして福山はSFに興味を持ったんだ?」
君次郎 > 「んーとね。最初はお父さんの影響かな?」愛はまだ真剣にスプーンで生クリームをすくっている。
パンプキン > 「お父さん?何をしている人なんだ?」
君次郎 > 「えっちぃ小説家」生クリームがこんもり乗ったスプーンと睨めっこしながら、サラリーマンと同じくらい普通に答えた。
パンプキン > 「え・・・えっ、えっちぃって・・・!」突拍子もない返答に数馬は自分の質問に後悔した。「ど、どうしてそれがSFに・・・?」
君次郎 > 「中学生くらいになると皆お父さんがどんな仕事してるかなーって気になるでしょ?で、私もお父さんの著作本を読んでみたのよ。そしたら、その本が」
パンプキン > 「・・・その本が?」
君次郎 > ごくりと唾を飲み込みながら数馬は愛の真剣に引き込まれていった。「その本の内容がね、ちょーナイスばでぃな女の人がある日突然UFOに攫われて」
パンプキン > 「うんうん、で?」数馬は真剣に愛を見つめた。その視線に珍しく気付いた愛は、少し頬を赤くしてうつむく。
君次郎 > 「…数馬君エッチ」スプーンに山盛りされた生クリームをスプーンごと数馬のブラックに突っ込んだ。じつは愛、モカは好きだがその上に載っている生クリームが嫌いなのだ。
パンプキン > 「ちょ・・・なんで俺だって甘いものは苦手なのに!」数馬が飲んでいたブラックコーヒーにみるみる生クリームが溶けていく。
君次郎 > うわ〜とコーヒーを慌ててかき混ぜる数馬には俯いた赤い顔の愛の呟きは聞こえなかった。。「だって、数馬君がそんな目で見るから…」
パンプキン > 数馬がそのコーヒーを飲み干す。ごくりと喉が鳴る。愛はそれをぼんやりと見つめていた。
君次郎 > 「何?」「なっなんでもない!!」愛の視線に気づいた数馬が見つめ返してきた。
パンプキン > 何故か顔が熱い。なんだろう、コレは。なんだろう。愛はどうしていいのか分からなくなり、真似するようにモカを飲んだ。
君次郎 > 整った容姿の数馬と愛の様子は店の視線が向かっていた。二人がカップに口つけながら見つめあう姿は傍から見れば恋人同士そのものだ。
パンプキン > その視線に数馬は気付いたが、だからと言ってこの場所を離れたいとは思わない。愛とまともに話したのは、実は初めてなのだ。
君次郎 > 愛自身は全く気づいていないが、男子の中でも人気がある。今まで愛に何も無かったのは一重にこの天然とあの2人の親友によるガードの賜物だった。あの日、愛が数馬をS研に勧誘しなければ今日こうやって2人で会うことも無かっただろう。
パンプキン > それから二人はごく日常の話題で盛り上がり、カフェを出た。
君次郎 > 「…数馬君」
パンプキン > 愛は数馬を見上げた。「ありがとね」それは、天然だとか変わっているだとか言われている愛を受け入れてくれたことへの感謝も含んでいた。
君次郎 > 「ん?なにが?」数馬は突然のお礼に訳が分からず首を傾げる。
パンプキン > 愛は間近で見るその整った顔に翻弄されていた。今まで気にしていなかった。だからシンパがいても気付かなかったし、あまり気にも留めていなかったのに。
君次郎 > 「あ、あのね!だから、その」「福山!危ない!」急にぐいっと腕を引っ張られ、愛は数馬に倒れこんだ。
パンプキン > 愛のすぐ後ろをトラックが走って行き、それを見ながら数馬は受け止めた愛をぎゅっと抱きしめる。愛は何が何だか分からずに数馬にしがみついた。
君次郎 > 「あっぶないなぁ。こんな狭い道でスピードだすなっつーの」数馬の低い声が愛の上から響く。
パンプキン > 「あ、あの・・・」愛はおずおずとつぶやいた。何故だか心臓が爆発するかのように早打ちをする。
君次郎 > 「福山、怪我はない?」
パンプキン > 「う、うん。ない・・・。ありがと・・・、あの、もう大丈夫、だから・・・」顔の赤い愛を見て、数馬は慌てて抱きしめていた愛を離した。
君次郎 > 「え…と、これからどうする?」
パンプキン > 「も、もう帰ろうか・・・?」カフェで話していて気付かなかったが、もう夕方の五時を回っていた。
君次郎 > 「そうだね。福山は電車?」
パンプキン > 「うん」「俺もだ。じゃあ行こうか」数馬は愛の手を引いた。先ほどのようなことが繰り返されてはたまらない。まして愛はどこか危なっかしい。だからいつの間にか目が離せなくなっていた。
君次郎 > 明日のS研はねぇ、と楽しそうに話す愛を、数馬はいつまでも見ていたいと思った。
パンプキン > 繋いだ手の温もりを感じた。


君次郎 > 「放課後どうして楽しいの〜ウッフッフッそれはエ〜スケ〜ン〜♪……あれ?数馬君さんは?」愛がきっと『秘密のアッコちゃんテーマソング』だろう外れた歌を歌いながら理科実験室に入ると、そこには祐子と恵理子しか見当たらなかった。
パンプキン > 「それより愛、昨日数馬くんと何かあったの?」裕子がしかめ面でつぶやいた。
君次郎 > 「へ?昨日?」きょとんとした愛は首を傾げた。
パンプキン > 「それより、私、数馬くん呼んでくるね!」明らかに浮かれている愛を見て、裕子と恵理子がため息をついたのは言うまでもない。本人無自覚なのだから呆れる。
君次郎 > 「数馬君まだ教室かな〜?職員室かな〜?昨日ビデオに撮った『エイリアンに拉致られた100人』を見ようって約束したのになぁ〜」きょろきょろと廊下を進んでいく愛。部活時間である校舎は閑散としていた。
パンプキン > そんなとき、「どうして、数馬くん・・・」傍の教室の空いたドアの隙間からそんな声が聞こえ、愛は振り返った。
君次郎 > 数馬という単語に思わず数馬の姿を探した。
パンプキン > そして、かすかにドアが開いている教室を見つけ、愛はそっと覗き込んだ。中には数馬と、見たことのある女の子がいた。S研に入ろうとして数馬に睨まれた子だった。
君次郎 > 「かず……」「どうして!?数馬君、他に好きなの子がいるの!?だからアタシと付き合えないの!?」女の子は必死の形相で詰め寄る。
パンプキン > 好きな子・・・? 愛は胸の中がざわつくのを感じていた。この込み上げる気持ちはなんだろう。あまり綺麗とは言えない、恨みとか、嫉妬とか、愛自身が知るはずもない勘定が愛の胸を支配した。
君次郎 > 愛の動揺などそっちのけで女の子は数馬に言い寄る。
パンプキン > 「ねえ!何とか言ってよ!アタシは好きなの!好きなのよ!どうしてアタシじゃ駄目なの・・・」
君次郎 > 「か、数馬君…?」優等生であるいつもの彼からは想像できない言葉に女の子は驚いた。
パンプキン > 同時に、影からその光景を覗き見ていた愛でさえも驚いていた。昨日の彼は優しかったのに、どうして。
君次郎 > それでも、
愛は握り締めた手を胸に当てた。

パンプキン > 今までにないくらいに胸がときめく。昨日の優しさを思い出してどうしようもなくなる。そして、今のこの状況を見てしまって悲しい。愛はそのまましゃがみ込み、一筋の涙を流した。――数馬を好きなのかもしれない、と思った。
君次郎 > 「ちがう…」廊下のタイルに落ちた雫を見つめながら呟いた。かも―じゃない、「私、数馬君が好きなんだ…」
パンプキン > そのつぶやきは静まった放課後の廊下に虚しく消え、愛は両手で涙を拭う。
君次郎 > 愛はゆっくりと立ち上がるとその場を後にした。教室の中の二人はいまだ何かを話していたが、愛にはもう聞く勇気がなかった。


パンプキン > 「福山!」翌朝、正門に入ったところで愛は数馬に声をかけられた。「昨日どうしてS研に来なかったんだよ?」
君次郎 > 「おはよう数馬君。昨日は、ちょっと用事がはいっちゃって急に帰らなきゃいけなくなったの」愛はいつものように微笑みながらごめんねと数馬に謝った。
パンプキン > 「そうなのか?でも有本さんたちも心配していたぞ?」
君次郎 > 「後で謝っとくよ」
パンプキン > 裕子の名前を聞いても、愛の態度は変わらない。その不自然なほどの笑顔に数馬は違和感を覚えた。
君次郎 > 「…福山?」「…何?」愛は怪訝に見つめる数馬を見返す。「いや、別に」
パンプキン > 昨日あんなことがあったはずなのに、いつもと変わらない数馬を見て、愛は目を伏せた。いつもあるのだろうか、あんな――女の子から告白される出来事。そして彼はいつもあんな風に女の子を拒むのだろうか。
君次郎 > 隣りを歩く数馬はひっきりなしに周りから挨拶を受ける。
パンプキン > その様子を見て、数馬が人気者であることを今更ながら愛は知った。
君次郎 > 「数馬君、あのね、」「ん?何?」
パンプキン > 「あのね・・・、昨日・・・」愛は言いかけて、首を横に振った。「ごめん、なんでもない」
君次郎 > 「え?」「私、先に行ってる!」愛は数馬を見るとも無しにそのまま走りだした。
パンプキン > やりきれなかった。あんな風に自分も拒絶されてしまうこと、そして彼はこの学校の人気者であること、自分の存在の小ささ、全てに気付いて、こんなことなら自分の気持ちに気付かなければよかったと思った。


君次郎 > 「祐子ちゃぁん…」半泣き状態で教室に入ってきた愛に、祐子もあらあらとため息をついた。
パンプキン > 「昨日黙って帰ってしまったと思えば・・・。どうした?何があったのかおねーさんに話してごらんなさい」
君次郎 > 祐子は今にもその大きな瞳から涙を零しそうな愛を抱えて理科実験室の道具倉庫にやってきた。実は本当の同好会部屋はここだったりする。
パンプキン > 「もうヤダよぉ・・・・・・」愛は椅子に座って俯いた。本当に泣いているのかもしれない、と裕子は慌てる。愛とは長い付き合いだが、未だかつてこんな愛を見たことがないのだ。
君次郎 > 「愛、一体何があったの?痴漢?引ったくり?それとも宿題忘れた?」
パンプキン > もちろんどれも違う。愛はぶんぶんと首を横に振り、上目遣いに裕子を見た。それは女の裕子でさえドキリとする表情であった
君次郎 > 「わ、私、…もうS研に行けない」「えぇ!?どうして突然!」
パンプキン > 「だって・・・、数馬くんがいるんだもん・・・」
君次郎 > 「数馬君!?数馬君ってあの数馬陽一のこと!?数馬君が何したの」
パンプキン > 「何もしてない・・・。一昨日の日曜日、一緒にカフェに行っていろんなこと喋ったり・・・、私が車に轢かれそうになったのを助けてくれたり・・・」
君次郎 > 「じゃあなんでそんなに泣いてるのよ」お姉さんさっぱり分からない、と祐子はバタ臭く肩をすくめた。
パンプキン > 何気にちゃっかりとイチャイチャしているんじゃない、というのが裕子の感想なのだが、当の愛は泣き止まない。
君次郎 > 「わ、私」「私?」「私、数馬君のこと、好きになっちゃったの…」
パンプキン > 「・・・それでどうしてそんなに泣くの」裕子は愛の顔を覗き込んだ。
君次郎 > 「だって、ヒック…数馬君、皆からとっても人気があって、かっこよっくって、優等生で、昨日だって、女の子から告白されてて…ヒック」
パンプキン > 「あぁ・・・、だから昨日は帰っちゃったのね?」裕子は愛の頭を撫でた。
君次郎 > 「…その…ヒック、女の子、数馬君に付き合えないって…ック、言われてて、それが、知らない数馬君で」シャックリを出しながらも一生懸命話す愛。
パンプキン > 「だって数馬くんはいつも優しかったから・・・」
君次郎 > 祐子はふぅーっと大きくため息をつくと、バシっと愛の背中を叩いた。
パンプキン > 「それはね、愛。数馬くんは愛に優しくしたいって、そう思ったからじゃないかな?」
君次郎 > 「ふぇ?」「ま、そんなことは本人の口から聞きなさい!それより愛!」「は、はい!」「それでなくても少ないS研で研究をサボろうなんていい度胸じゃないの!!」
パンプキン > 「ご、ごめんなさぁい・・・」いつもの調子の裕子に、愛もいつもの調子を取り戻してきた。
君次郎 > 「まぁ、愛がいなくなればあたしの戦闘派と恵理子の未来派でSF研究部は「スターウォーズ部」って名前に変えてもいいんだけどね〜」
パンプキン > 「・・・うん」愛は悲しそうに微笑んだ。愛にとってSFは逃げ場だった。裕子も恵理子も好きだった。だから入っていたけれど、エイリアンを信じていたのも、何かの予防線だったように思う。
君次郎 > 「ほら、あんた日直でしょ?職員室から日誌とっといで」「うん!祐子ちゃんありがとう!!」さっきまでの涙がウソのように元気に廊下を走っていった。「さてと。聞こえた?」
パンプキン > 裕子が顔を向けた道具倉庫の奥の死角では、数馬が、真っ赤な顔をして立っていた。
君次郎 > 「…愛を泣かせたりしたら、あたしと恵理子が許さないわよ」祐子はそのまま倉庫を出た。
パンプキン > 「・・・・・・マイッタ」数馬はそのまま壁に寄りかかった。ずっと愛を見ていた。ずっと愛を想っていた。いつも夢に見ていた。だからこそ、こんなことになるなんて。現実味に帯びなくて、少し戸惑っていた。
君次郎 > まさか、勧誘とはいえ愛のほうから近づき、ましてや…
パンプキン > ―――俺を好き? 心臓が高鳴る。手には愛の温もりが蘇った。


君次郎 > 「桂さん!福山は!?」研究日でもないのに実験室で本『小泉純一郎は25世紀からきた』を読んでいた恵理子に聞く。(
パンプキン > 「帰ったんじゃないかしら?さっさと捕まえなさいよ」事情を聞いているのか、恵理子はやはり本から目を離さずに言った。
君次郎 > 急いで教室に戻ると鞄をひっつかんで教室をでる。「い、いまの、数馬だよなぁ」教室にいた生徒も、廊下で数馬を見た生徒も見たこともない必死な数馬のようすに驚き呆然としてた。
パンプキン > 走って正門を出て、駅に向かっていくとすぐに愛の後ろ姿は見つかった。
君次郎 > 「ふっ…福山…!…愛!!」
パンプキン > 突然の声に、愛は振り返った。
君次郎 > 遠くから走ってくるのは、小さくても分かる――数馬だ。愛は思わず数馬から逃げるように走り出した。
パンプキン > 「ちょ・・・、おい!待てよ!ふ・・・愛!愛ってば!」再度名前を呼ばれ、愛の体から力が抜けて、とうとう立ち止まってしまった。
君次郎 > ようやく止まった愛にほっとして近づいた矢先に「お、おい!!」急に走り出した。
パンプキン > 「やだぁ、追いかけないでよ!」走っているだけでも脈拍はあがるのに、そんな風に追いかけられたら心臓が持たない。
君次郎 > 愛と数馬ではやはり足の長さも体力も違う。数馬は愛が公園に入ったときには追いついていた。
パンプキン > そして、ついに愛の腕を掴んだ。「待てってば」
君次郎 > 「いやっ…」数馬の腕を振り払おうと体をよじったが逆に「愛、好きだ」数馬に抱きしめられていた。
パンプキン > 「・・・・・・・・・・・・っ!!」愛は抱きられた余韻で空を見つめたまま、空気を飲み込んだ。
君次郎 > 「ずっと、愛のことが好きだった」数馬の低く掠れた声が耳元で聞こえ、ぴくりと体が飛び跳ねる。
パンプキン > 「俺はおまえを泣かせない。だから逃げないでくれ・・・、愛」
君次郎 > 「数馬君…」数馬がゆっくりと力を抜くと、二人は見詰め合えるくらいには離れた。「愛、愛は俺のこと、どう思ってる?」
パンプキン > 数馬の真剣な表情に愛は顔を赤くしてうつむいた。「だって・・・」愛は言う。「だって数馬くんは、好きだって言う女の子を拒むでしょう?」
君次郎 > 「愛は特別。愛教えてよ。俺のこと嫌い?」
パンプキン > 「・・・・・・そんなわけ、ないよ。だって、私は・・・」愛は数馬を見て、必死に言う。「あたしは数馬くんが・・・・・好き、だもん」
君次郎 > 「……」「?……数馬君?」反応の無い数馬に愛は不安になった。「かず…」
パンプキン > 愛のその声は数馬の唇によって塞がれたのだ。
君次郎 > 「…んっ…はぁ」一瞬びっくりした愛だったが、恐る恐る数馬の首に腕を回した。
パンプキン > 必死に数馬にしがみつき、それを感じた数馬は再び愛にキスを落とした。
君次郎 > 「んっ…んっ…ぁ」数馬がやっと離れたときには、慣れないキスと酸欠状態で愛の足はフラフラだった。
パンプキン > 「数馬くん・・・・・・」愛は数馬の胸に顔を押し付ける。「陽一って呼んで」数馬は掠れた声でつぶやいた。
君次郎 > 「えっ。か、数馬君?」「陽一」不機嫌そうな声に思わず顔をあげると案の定、おもしろくなさそうな数馬がいた。「陽一」「よ、陽一、君」かぁーっと真っ赤になった愛に数馬は満足そうに微笑んだ。
パンプキン > 「・・・愛、大好きだ」そして、数馬はまた愛を抱きしめる。
君次郎 > 「うん!私も」愛が数馬の背中に手を回した。
パンプキン > 「大好き!!」愛の声は思わず誰もいない公園じゅうに響き、二人は顔を見合わせて笑った。


君次郎 > 二人が付き合いだしたことは次の日には学校中に知れ渡っていた。
パンプキン > 「えっ、なんであんな女と!?」数馬シンパは決まった科白を吐いていたが、それを制していたのは無敵の一人。
君次郎 > 「愛に手ぇ出したら、あたし達が許さないわよ」祐子姉さん。その後ろでは恵理子が「ふーん…未来にはこんな素敵な拷問道具があるのね…使ってみたいは」と本片手にのっぺり一人言。
パンプキン > その二人のおかげか否か、数馬と愛の関係には平穏が続いている。
君次郎 > 「ねぇ、陽一君」「ん?何?」
パンプキン > 「なんだかねぇ、幸せなんだよね。もうエイリアンなんて来なくていい。だって陽一くんがいるもん。陽一くんがいれば、それだけで何もいらないよ」
君次郎 > 「…愛、頼むから」数馬は思わず右手で自分の額を押さえつけた。ほんのり耳が赤いのは気のせいだろうか。「頼むから?」
パンプキン > 「これ以上惑わせないで・・・押し倒したくなるから」もちろん最後の言葉は愛に届いていない。
君次郎 > 「何?聞こえないよう」「ほら、もう行こう、あの二人が遅いって怒ってるよ」
パンプキン > そして二人は手を繋いで裕子たちが待つ理科実験室に歩いて行った。
君次郎 > ちゃんちゃん。
君次郎 > 「愛の青春〜SF研究にこんにちわ〜第1部完」








 読んでくださり、ありがとうございました!
 上でも書いたとおり、パンプキンはリレー小説は初の経験でした。しかも、君次郎と私の小説を読んだことのある方なら分かると思いますが、二人の文章もノリもまるで違う。私は君次郎のようなコメディセンスを持っていない。大丈夫だろうか? 正直、不安のほうが多かったんですけれど、二日間で無事に終了できて、本当に嬉しかったです。
 小説を書くという行為は普段はロンリーな作業なので、どうでもいい話をしたり、エロい話をしたりしながら書いたのは本当に笑いが止まらないほど楽しかったです。
 キスをラスボス呼ばわりしていましたしね(笑)。一度場面に入っちゃうとなかなかその場面から抜け切れなかったり、やっぱり伏線を上手く張れなかったり、戸惑いもしましたが、よい経験でした。君次郎は天才だっ!君次郎にはたくさん助けられました。
 普段の私なら絶対に書かない王道というものに触れさせてもらえましたし、満足です。

 またやりましょうね、君次郎♪今度はエロで!18禁に挑戦しましょう☆


 それでは、本当にありがとうございました。お疲れ様でした。



2006年9月26日午前1時21分 パンプキン  




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